
BRIX Weekly
週刊トラック運送業界トピックス
トラック運送業界を取り巻く法令・行政動向、労務、安全、運賃・取引、物流政策、補助制度、DXなどの最新情報を毎週厳選してお届けします。
「今、何が動いているのか」「運送事業者にどのような影響があるのか」を、ブリックス独自の視点で分かりやすく解説します。
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【第4回】2026年10月23日配信 対象期間:2026年10月16日(金)0:00 ~ 10月22日(木)23:59
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Ⅰ.今週の総括
今週のトラック運送業界では、「適正原価制度の具体化」「中継輸送を推進する改正物流効率化法の施行決定」「車両の安全管理」「ドライバーの健康管理」が重要なテーマとなりました。
10月19日に開催された第4回「適正原価の設定に向けた有識者検討会」では、適正原価の対象となる事業種別や車種、地域区分、人件費、燃料サーチャージ、荷待ち・荷役料金等について、具体的な制度設計案が示されました。
特に、燃料費の基準価格を130円/Lとする案や、全産業平均賃金を踏まえた人件費の算定方法、元請事業者の利用運送手数料の取扱いなど、運送会社の経営に直接関係する重要な論点が提示されています。
これらは現時点では検討段階ですが、制度の具体的な仕組みが明らかになりつつあります。
また、10月16日には、トラックの中継輸送を推進する改正物流効率化法の施行日を11月1日とする政令が閣議決定されました。
長距離輸送を複数のドライバーで分担する中継輸送について、国による計画認定制度等が導入され、ドライバーの負担軽減と物流の維持に向けた取組が進められます。
安全管理面では、10月20日に大型トラックのフロントハブ・リヤハブに関する自主改善が公表され、10月22日にはクオン等のリコールが公表されました。
さらに、10月19日から労働者の健康保持増進に関する改正指針が適用され、疾病の早期発見や治療と就業の両立支援など、健康管理をより幅広く捉える方向性が示されています。
今週は、制度改正に対応するための準備と、日常的な経営管理・安全管理体制の実効性を高めることの重要性が改めて示された1週間といえます。
【今週の重要ポイント】
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【重要度A】適正原価制度の具体的な算定方法・運用方法に関する検討が進展
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【重要度A】中継輸送を推進する改正物流効率化法の施行日が11月1日に決定
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【重要度A】大型トラックのハブ部品に関する自主改善とクオン等のリコールを公表
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【重要度B】労働者の健康保持増進に関する改正指針が10月19日から適用
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【重要度B】全日本トラック協会が11月のCO2排出量把握促進月間を案内
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Ⅱ.今週の重要トピックス
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1.【重要度A】適正原価制度の具体的な算定方法・運用方法に関する検討が進展
◆ トピックス概要
国土交通省は10月19日、第4回「適正原価の設定に向けた有識者検討会」を開催し、関係業界へのヒアリング結果と、適正原価の具体的な制度設計に関する資料を公表しました。
今回の検討会では、これまでの議論を踏まえ、次のような方向性が示されています。
【主な検討事項】
① 適正原価の対象となる事業種別
・一般貨物(貸切):適正原価を設定
・一般貨物(特積):貸切とは別に設定
・特定貨物:一般貨物(貸切)の適正原価を適用
・軽貨物:一般貨物(貸切)の小型車を基礎とする方法を検討
② 車種・地域区分
車種については、小型車、中型車、大型車、トレーラーの4区分を基本とする方向性が示されています。
地域区分については、人件費の地域差を反映するため、地方運輸局単位、賃金水準別の地域グループ、都道府県単位の3案が提示されています。
③ 人件費
トラックドライバーの処遇改善を目的として、全産業平均賃金を踏まえた人件費を適正原価に反映する方向性が示されました。
④ 燃料費・燃料サーチャージ
燃料費の基準価格について、130円/Lとする案が示されました。
また、燃料サーチャージを原則として適正原価に計上し、実際の燃料使用量や公的な軽油価格調査を基礎として算定する方向性が示されています。
⑤ 荷待ち・荷役料金
荷待ち・荷役等の料金原価について、全産業平均の人件費単価に実稼働時間を乗じて算定する案が示されました。
⑥ 利用運送手数料
元請事業者が荷主から収受する利用運送手数料について、運賃原価の10%とする案が示されています。
また、元請事業者が下請事業者へ支払う手数料を、実運送事業者への運賃・料金から差し引かない方向性も提示されています。
⑦ ドライバーへの賃金還元
適正原価に基づいて収受した運賃・料金をドライバーの処遇改善につなげるため、賃金の支払状況を事業報告書等によって確認する仕組みも検討されています。
なお、これらは検討会資料における「想定される方向性」であり、制度として最終決定された内容ではありません。
◆ 運送会社への影響
今回の検討内容は、今後の運送会社経営に大きな影響を与える可能性があります。
特に重要なのは、適正原価が単なる運賃交渉の参考指標ではなく、事業の適正な運営や許可更新制度とも関連する仕組みとして検討されていることです。
運送会社では、自社の原価構造を把握することに加え、荷主との運賃交渉、元請・下請間の取引条件、ドライバーの賃金管理等を一体的に考える必要があります。
◆ ブリックスとしての着眼点
今回の検討会資料では、運送会社が適正原価を下回る運賃・料金を継続的に収受した場合の取扱いに加え、荷主等に対する是正指導の考え方も示されています。
特に、運送会社から荷主等へ書面等による協議の申入れが行われているかという点が、是正指導の判断に関係する方向で検討されています。
これは、今後の運送会社において、運賃交渉の実施状況や交渉記録の管理が重要になる可能性を示しています。
また、適正原価制度とドライバーの賃金支払状況が結び付けられる方向性も示されていることから、経営管理と労務管理を分離せず、一体的に捉える必要があります。
情報源:国土交通省(2026年10月19日)
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2.【重要度A】中継輸送を推進する改正物流効率化法の施行日が11月1日に決定
◆ トピックス概要
国土交通省は10月16日、「物資の流通の効率化に関する法律の一部を改正する法律」の施行日を2026年11月1日とする政令が閣議決定されたことを公表しました。
改正法は、長距離輸送を複数のドライバーで分担する「中継輸送」を推進するものです。
中継輸送では、輸送の途中でドライバーの交代や貨物の受け渡し等を行うことで、長距離運行に伴うドライバーの負担軽減を図ります。
今回の改正では、複数の事業者が共同で作成する中継輸送実施計画について、国による認定制度が設けられます。
また、計画認定に係る国土交通大臣の権限の一部を地方運輸局長へ委任する政令も閣議決定されました。
【施行スケジュール】
政令公布日:2026年10月21日(水)
改正法施行日:2026年11月1日(日)
◆ 運送会社への影響
中継輸送は、長距離輸送を行う運送会社にとって、ドライバーの拘束時間管理や運行計画の見直しにつながる可能性があります。
特に、長距離運行における宿泊・休息、車両運用、ドライバーの配置等について、従来とは異なる運行形態を検討する機会となります。
一方、中継輸送を導入する場合には、中継拠点の確保、車両・貨物の受け渡し、運行管理上の責任分担等を明確にする必要があります。
◆ ブリックスとしての着眼点
中継輸送は、単なる輸送効率化ではなく、改善基準告示への対応やドライバーの労働時間管理とも関連する重要な取組です。
特に、
・拘束時間の管理
・休息期間の確保
・運行計画の適正性
・点呼の実施方法
・運行指示書の作成
・中継拠点における管理体制
等について、実際の運行形態に応じた確認が必要です。
ブリックス監査では、No.18「拘束時間」、No.20「点呼」、No.23「運行指示書」等との関連を確認することが考えられます。
情報源:国土交通省(2026年10月16日)
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3.【重要度A】大型トラックのハブ部品に関する自主改善とクオン等のリコールを公表
◆ トピックス概要
国土交通省は10月20日、三菱ふそうトラック・バスが補用品として販売した大型トラック用フロントハブ・リヤハブについて、自主改善を実施する旨の報告があったことを公表しました。
対象は、ふそうグレート等に装着された一部の補修用部品です。
不具合の内容は、補用品の供給が不適切であったため、現行品から旧品へ交換された車両があるというものです。
対象部品が装着されている車両については、点検を実施し、旧品が装着されていた場合に現行品へ交換することとされています。
また、10月22日には、UDトラックスのクオン等について、電気装置に関するリコールが公表されました。
クオン等のリコールでは、キャブ入出力モジュールのソフトウェアに関する不具合により、スイッチ操作が正常に機能しない等のおそれがあるとされています。
リコール開始日は10月23日です。
◆ 運送会社への影響
対象となる車両を保有する運送会社では、車台番号や交換部品の履歴等を確認し、自社車両が対象となるか確認する必要があります。
特に、今回のハブ部品に関する自主改善は、車両の製造時に装着された部品だけでなく、その後の補修・交換によって装着された部品が対象となる点に注意が必要です。
◆ ブリックスとしての着眼点
本件は、現行ブリックス監査の整備管理関係項目と関連します。
【関連する主な監査項目】
・No.27~29 整備管理体制
・No.30 日常点検
・No.31 定期点検整備
車両管理においては、法定点検の実施状況だけでなく、リコール・自主改善情報を把握し、必要な対応が行われているか確認することも重要です。
情報源:国土交通省(2026年10月20日・22日)
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4.【重要度B】労働者の健康保持増進に関する改正指針が10月19日から適用
◆ トピックス概要
厚生労働省は、「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」を改正し、10月19日から適用しました。
今回の改正では、従来の生活習慣病予防等を中心とした取組に加え、疾病の早期発見・早期治療や、治療と就業の両立支援等の重要性が明確化されています。
具体的には、
・生活習慣病等の発症予防
・がん等の検診受診勧奨
・精密検査の受診勧奨
・治療と就業の両立支援
・医療保険者等との連携
等が示されています。
本指針は、労働安全衛生法に基づく健康保持増進措置について、事業者が取り組む際の基本的な考え方を定めたものです。
今回の改正によって、全ての事業者に新たな検診の実施が一律に義務付けられたものではありません。
◆ 運送会社への影響
トラック運送業では、ドライバーの高齢化や生活習慣病等への対応が重要な経営課題となっています。
健康診断の実施だけでなく、その結果に基づく受診勧奨や健康管理、疾病を抱えるドライバーへの適切な対応等が重要です。
◆ ブリックスとしての着眼点
ドライバーの健康管理については、法定健康診断の実施状況に加え、健康診断結果に基づく管理や、健康上の問題が運転業務に及ぼす影響を確認する必要があります。
また、健康保持増進の取組と、運行管理上必要となる健康状態の把握・判断を区別しながら、一体的な管理体制として整備することが重要です。
情報源:厚生労働省・全日本トラック協会(2026年10月19日・21日)
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5.【重要度B】11月はトラック運送業界のCO2排出量把握促進月間
◆ トピックス概要
全日本トラック協会は10月21日、11月を「トラック運送業界のCO2排出量把握促進月間」とし、CO2排出量の把握とエコドライブの推進に取り組むことを案内しました。
本取組は、全日本トラック協会が推進する「トラック運送業界の環境ビジョン2030」に基づくものです。
今後、荷主企業から運送に伴うCO2排出量の把握や報告を求められることも想定されるため、運送会社における排出量管理の重要性が高まっています。
全日本トラック協会では、CO2排出量簡易算定ツールも公開しています。
◆ 運送会社への影響
今後、運送会社においては、燃料使用量や走行距離等を基礎としたCO2排出量の把握が、荷主との取引や環境対応において重要になる可能性があります。
また、エコドライブの推進は、CO2排出量の削減だけでなく、燃料使用量の削減や運行コストの改善にもつながります。
◆ ブリックスとしての着眼点
運送会社の環境対応については、単なるCO2排出量の削減だけでなく、燃料費削減や運行効率改善と結び付けて捉えることが重要です。
また、荷主からの排出量報告依頼に対応できるよう、燃料使用量や走行距離等のデータ管理状況を確認することが考えられます。
情報源:全日本トラック協会(2026年10月21日)
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Ⅲ.その他の注目情報
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【1.第2回「物流政策推進関係者会議」を10月27日に開催】
国土交通省は10月20日、第2回「物流政策推進関係者会議」を10月27日に開催すると発表しました。
【主な議題】
・適正原価の設定に向けた検討状況
・トラック・物流Gメンの集中監視月間
・総合物流施策大綱・物流効率化法等の取組状況
・2027年度物流関係予算概算要求
適正原価制度や取引適正化、物流政策の方向性を把握する上で重要な会議となります。
情報源:国土交通省(2026年10月20日)
【2.運輸事業の安全に関するシンポジウム2026】
国土交通省は、11月25日に「運輸事業の安全に関するシンポジウム2026」を開催します。
テーマは「人材確保・安全教育を通じた安全管理体制の確保」です。
トラック運送事業を含む各運輸分野における安全管理の取組や、安全教育の事例等が紹介される予定です。
なお、国土交通省の開催発表は10月14日ですが、全日本トラック協会が10月20日に改めて案内したため、今週の関連情報として掲載しています。
情報源:国土交通省・全日本トラック協会
【3.アルコール関連問題啓発週間】
全日本トラック協会は10月20日、11月10日から16日までの「アルコール関連問題啓発週間」について案内しました。
運送会社においては、飲酒運転防止だけでなく、アルコールに関する健康問題の予防や、運転者への教育・指導も重要です。
情報源:全日本トラック協会(2026年10月20日)jta.or.jp
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Ⅳ.今後の注目予定
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1.物流政策推進関係者会議
2026年10月27日(火)
第2回「物流政策推進関係者会議」
適正原価制度、トラック・物流Gメン、物流効率化法等に関する政策動向を確認します。
2.改正物流効率化法
2026年11月1日(日)
中継輸送を推進する改正物流効率化法が施行されます。
計画認定制度の具体的な運用状況を確認します。
3.デジタコ普及促進
2026年11月5日(木)以降
国土交通省によるデジタコ理解向上セミナーが順次開催されます。
4.アルコール関連問題啓発週間
2026年11月10日(火)~11月16日(月)
飲酒運転防止やアルコールに関する健康管理の啓発に活用します。
5.運輸事業の安全に関するシンポジウム
2026年11月25日(水)
安全教育や安全管理体制に関する情報を確認します。
6.年末年始の安全管理
2026年12月1日~2027年1月31日
陸上貨物運送事業における年末年始労働災害防止強調運動。
7.年末年始の輸送安全総点検
2026年12月10日~2027年1月10日
国土交通省による年末年始の輸送等に関する安全総点検。
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